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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-107


(春人の涼しげな瞳が、微笑み。 菖蒲を見たあと、
前方に広がる。 青い水槽に囲まれる館内で、楽しそうに笑う。 皆を見つめた。)

「・・。 意外とロマンチストなんですね?」

(微笑んだ菖蒲に、春人は、眉根をよせた。)

「ああ?」

「くすくすっ。 いえ。」

(菖蒲は、白手袋の片手で。 思わず微笑む、口元を覆った。)

***

(異空間への扉の前で。 紫苑は、勇気を出して、声をかけた。)

「夏樹くん。」

「入ってもいい?」

(やわらかにカールした、明るいベージュ色の髪が。 きらきらと夜の明かりに揺れる。)

(可愛らしい靴の先に。 細い肩に。 クリーム色の光の粒が小さく弾けた。)

***

「え? ・・うん。」

(扉の向こうで、夏樹は静かに答え。 紫苑は、緊張する面持ちで、
夏樹のいる。 風見水族館を映す、異空間へ、足を踏み入れた。)

コォォォーッ シュンッ・・

『わっ・・///』



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