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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-108


「わぁぁ〜っ・・///」

「きれい・・。 『青の世界』・・、ほんとうに。」

「本物の、大水槽の前みたいね。」

(きらきらした、青い輝きの中。 紫苑は、夏樹の顔を見た。)

「怖くない・・?」

(ソラの魔法が守っていたが。 夏樹の深い紺色の瞳は、色濃く。
傍に立つだけで、伝わる。 冷たい気配が、白い肌から流れ出していた。)

(それはまるで、“闇”の残した悲しみか。 返り血のようで。
決して消えないものに思えた。)

「・・・。 うん・・。 今・・、何を、考えていたの?」

(夜空のように、色彩を変えながら。 深い紺色の瞳は、そんな紫苑を見て。
そっと、目の前の水槽に。 視線を移した。)

「どうして、この街に、たくさん“欠片”が眠っているんだろうって、

思ってた。」

「え?」

(紫苑は瞬き。 自分も同じ様に、夏樹の隣で。 水槽を見つめた。)

「僕は、少しわかった気がする・・。」

「見て。 ソラが集めて、ミイさんが、浄化した“欠片”たちが。 皆のもとへ、

戻ってゆく。」

(異空間の中で、いくつもの、風見市の景色を映した扉が。 スクリーンのように、



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