HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter97 『共に。』 97-111
(冷たさに、紫苑は小さく身体を震わせた。 それでも、白い指先は、
紫苑を離さなかった。)
『いつか・・。』
『きっと、隣に、僕はいない。』
『僕ではない誰かと、彼女は。 未来を歩いて行く。』
『そんなことは嫌だなんて、僕に言う資格はない。 だから、
この手を、離さなければ・・。』
(こぼれ落ちそうな想いに。 治まっていたはずの、胸の痛みは、再び疼いた。)
『それなのに。』
***
『「また、いつか来よう。 夏樹くん。」』
(紫苑の声が、心に響いた。)
***
『未来を思って、涙し。 僕を見た。』
『彼女は・・。』
『とても、綺麗だった・・。』
『共に。』
Chapter97 End
Fragment of Time・・・時の欠片の道しるべ
『 Chapter98へ 』 『 前ページへ 』