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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-17


【呪いを自らに受け、異界の地で。 何者かを守ったのではないか?】

【核となるリュウジュの“鍵”が、“闇の力”を秘めたまま、

異界の地に残っておる・・。 それがまた、魔女の消滅を妨げる。】

(甦る記憶に、ソラの胸は高鳴った。)

ドクンッ・・ ドクンッ・・

【そうじゃ・・。】

(大巫女は、忌まわしい未来を見ながらも。 懐かしい、愛しき人を
まるで、思うかのように。 穏やかに、微笑みを浮かべた。)

【ソラ。 王子ルイは・・。 この国を捨てるという罪を犯した。】

【それは運命の女性と出逢うためじゃ。 それが、“闇の樹”の未来を生んだのじゃ・・。】

【この、婆には想像できなんだ・・。 占いにあるは、“絶望”と“終焉”】

【その“闇”の中、異界の地で、産まれ出でる“命”があったのならば・・。】

【呪いが消えることはない・・。 “未来”じゃ・・。 ソラ】

【“闇の樹”に“未来”がある限り、魔女は死ぬことが出来ぬ。】

(大巫女の声が、ソラの耳元に、響くようだった。)

『未来・・。』

【“闇の王を継ぐ者”が、かの異界の地で生きておる。】

【魔女の呪いは、自らを消滅せんが為に、その者を追うじゃろう。】



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