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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-18


【そなたはどうする?】

【“鍵”ならば、壊せば良い。】

【じゃが、それが“人”ならば・・?】

ドクンッ・・ ドクンッ・・

【この国を守るために、そなたに、壊すことができるか?】

【そして魔女が死なぬ限り・・。】

【この国にかけられた呪いは解けぬ・・。】

【“聖なる光の樹”の花もやがて散り・・。】

【エアリエル国は、終わるのじゃ・・。】

【ソラよ。】

【それでも地上へ行くと言うのか? お主に。 その覚悟が・・あるか?】

***

「大巫女・・。」

「事態はもっと悪いぜ。」

(ソラは、独り言のように、つぶやいた。 入口を目指し、たくさんの人が館内へ
押し寄せる中。 ソラとミイだけが、反対の方向へ、歩いてゆく。)

(ゆるやかな時の流れの中。 人波の向こうに。 まるでその場だけ、
スポットライトを受け、明るく。 空気が澄む不思議な気配が、
流れ出している。)

「呪いを解き。 “闇”を無くすための切り札は。」



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