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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-2


(晃の視線の先には、“闇”により、見る影もなく破壊された
異空間の中の、桜ヶ丘の景色が続いていた。)

「夏樹が居なくて幸いだ。」

ピコンッ

(通信機が鳴り、晃は手元を見た。)

カチャッ・・

「どうした?」

[「晃くん。 風見海岸通りに、“闇”が集中して、発生しているの。」]

[「光くんだけでは、手に負えない。 艶ちゃんのいる小町通りが落ち着いたら、

葵さんに向かってもらうわ。」]

[「それまで、援護して。」]

(静乃からの要請に、晃は笑った。)

「光にか? 俺が行く前に、片がつくだろう。」

(通信機の向こうで、静乃の声が張り詰めた。)

[「・・すぐそばに、あの時の気配があるの・・。」]

[「夏樹くんを追っていた。 何者かの力が、“闇”の中に、映り込んでる・・。」]

ピピッ

(静乃はデータを転送し、画像を見た晃は、瞬時に。 装置を切り替え、
空間移動への扉を開いた。)



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