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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-31


(小さな鎖の音がし、紫苑ははっとした。)

【・・次の・・“闇”は・・。】

(巨大な青い水槽の前、楽しげな人々の間で。 夏樹と紫苑は、
自身と葛藤していた。)

「ソラが、方法を考えてくれている。」

「・・もしも出来たなら。 僕は、出る。」

(紫苑は、夏樹の目を見て、うなずき。 そっと、青い水槽に、視線を移した。)

「うん。」

(青いライトに照らされ、うつむく紫苑の表情が。
目の前を通り過ぎる大きな魚影に隠れ、
揺れる波紋が、その瞳をゆらめかせた。)

ゴウンッ

「紫苑ちゃん?」

(紫苑の口元が、不思議に動き。 笑みを浮かべた。
ミイは気になり、そっと、紫苑の顔をのぞき込んだ。)

「ミイ。 ピュア。 行くぞ。 夏樹、みんなとここにいて。」

(呼びかけに、夏樹はうなずき。 ピュアに続き、ミイは、ソラのもとへ向かった。)

「ああ。」

「はいですっv」

【・・“風見海岸通り”・・。】



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