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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter97 『共に。』 97-32
【・・FOT・・、“光”・・“晃”・・。】
(目を開いた紫苑の、瞳の中に。
黒い煙が、渦巻いた。)
(可愛らしい唇が、小さく動き。 術の支配者にしか聞こえない、
紫苑の声がささやいた。)
【・・うふふっ・・】
(それは、紛れもなく、紫苑自身の声だった。 紫苑の中に揺れる、黒い瞳は。
夏樹の腕時計の情報を読み。 術者をその場へ向かわせた。)
【ゴォォッ】
(新たに小さな“闇”が、生まれる音がした。)
***
【出会ってはいけぬ者に、出会った罪に・・。】
【運命は、試練を与えるであろう・・。】
(ミイは、遠い記憶の向こう、大巫女の言葉を。 思い出していた。)
***
ジジッ ピッ・・ ジジッ
(途切れがちな音声を、聞き取ろうと。 光は、通信機を強く耳に押しあてた。
淡い黄色の髪が、耳元にかかり。 異空間へ届く、夏の風に。 夏樹の気配を感じ取り、
目を細めた。)
「静乃の音声も届かない、“闇”の底だっていうのに・・。」
「なんで夏休みのはずの、お前の風は届くんだよ? 夏樹。」
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