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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-34


【ギャァァァーッ!】

ビシャッ・・ ボタボタッ・・

(雨のごとく降る、“闇”の滴が。 光の黄色い髪を。 頬を染めた。)

「何だ・・? この気配・・。」

「“闇”の他に、何かがいる・・。」

(光は、何者かが、異空間に。 自分に視線を注いでいるのを感じ取った。)

「だから言ったんだ・・。 “欠片”を俺たちでどうにかしようなんて考えれば。」

「いずれは死人が出るってな。 到底、聖から奪えるはずがない。 それとも・・、

FOTに反逆者がいると。 国にばれたか?」

「それとも・・、これが夏樹の追っ手か?」

「くっくっくっ。 酷い殺気。 探しているのは夏樹か? ・・そう。」

「俺? あいにく、ここには来させないよ。」

「夏樹も、俺の相棒も。」

(光の鋭い視線が、再び、外灯の下に向けられた。 光の力を受け、輝いていた外灯は。
淡く怪しく、点滅し始めた。)

ジジッ ジジジッ

(消えゆく外灯の、生み出す闇に。 再び“闇”は、吸い寄せられた。
好む獲物を見つけたように。 ゆっくりと、光を取り囲み、距離を縮める。)

(ちりちりと火花を灯す、外灯の下に。 明るむ瞬間、小さな少年の姿が、



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