HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter97 『共に。』 97-35
見える気がした。)
『子供・・? 聖じゃなかっただけ、ほっとした。』
(光は、ニッと笑い、 通信機に映る。 青い点が、現実の。 風見水族館の中で、静かに
点滅していることを確認し。 満足げにうなずいた。)
「俺を励ましたつもり? 夏樹。」
「受け取ったよ。」
ドクンッ
***
「はっ・・。」
(夏樹は、顔を上げた。 深い紺色の瞳が、大きく見開く。)
(巨大な“闇”と共に、夏樹を苦しめる黒い気配が、光のすぐそばにあった。)
「ああ・・っ!」
(思わず胸元を押さえ、夏樹は、巨大な青い水槽の前で、身をかがめた。)
(その者から湧き起こる怒りに、夏樹の胸に眠る“鍵”は共鳴するように、
強く鼓動し。 溢れるエネルギーは、押さえても、強い痛みを伴い、
夏樹の胸元から流れ出た。)
「・・・っ。 ・・・っ。」
(こらえようと、息を飲み。 痛みに涙がにじんだ。)
***
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』