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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-39


(ソラは王宮の、巨大な白い柱と硝子窓に覆われた、回廊を一息に
駆け抜けると。 その先、ゲートの奥にそびえる。 塔の中へ、走った。)

ダッ

(白い回廊を抜ける間、ソラの地上での服は、少しずつ姿を変え。
白い正装に変わってゆく。 胸元に立派な飾りが現れ。
肩には、二つの樹が絡み合い、伸びて行くさまを描いた王家の紋章が。
輝いていた。)

「ソラさまっ!/// ミイさまもいらっしゃるわ///」

(町の娘たちが振り返り、ソラを指さし。 ミイの姿を見ては、つま先立って、喜び。
肩を抱き合った。)

「みんなっ///;」

(ミイもまた、懐かしい皆の姿に。 胸を熱くし。 自分たちが国を去ってから、
少しも変わらぬ。 むしろ、色濃く浸食している。 国を覆う“闇”の姿に。
散ってゆく、聖なる“光の樹”の花びらに。 言葉をなくした。)

「ごめんね・・みんなっ/// 心配かけてっ///;」

シャララッ

(塔の内部は、青く光る、石で出来ていた。 レンガのように組まれ、青く光る石造りの
壁と、床は、まるで洞窟のように神秘的な空間を創り出し。 清い水の流れが、
四方に、石の間から湧き出ては、足元に小さな川の流れを創っている。)

(そこかしこに小さな緑が生え。 天窓から射し込む光は。
1点、 頭上高くみごとにそびえる。 聖なる“光の樹”の上に、注がれていた。)

「ソラ・・。」

(その樹の前に、膝をついていた、美しい女性が。 立ち上がり、ソラを見た。)



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