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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-4


(少し考えたあと、静乃は答えた。)

「ええ。 少なくとも、生命科学研究所が。 考えを変えないならば。」

「彩さんへは、わたしからも話すわ。」

「“欠片”は大切。 でも、わたしたちは、間違っていたのよ。」

「国へ、“欠片”を引き渡さないで。 ・・夏樹くんを守りたいの。」

(晃ならそうするだろうと、静乃には分っていた。)

[「ふぅ。 聖は動かんぞ。 どう出るか。」]

[「最悪は、国とあいつと。 戦争か?」]

[「くっくっくっ。」]

(晃は笑っていた、だが。 どうするか、二人は心に決めていた。)

「そうね。」

(静乃は迷いなく、うなずいた。)

***

「ソラさま〜っ!/// 早くです〜っ!///v」

(夏の暑い日差しが、エントランスゲートへと続く、広い階段を照らし出し。
オープンし、賑わいを見せる、市内で最も大きい水族館へ。 可愛らしい靴音を響かせ、
駆けあがる。 ピュアの、クリーム色の長い髪を。 きらきらと光らせた。)

「ピュア、『イルカ』さんが見たいですっ!///」

(長い睫毛の、大きなクリーム色の瞳は、輝き。 頬を染め、子供のようだった。)



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