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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-41


「秩序を破り・・、“光の樹”を王としようとした・・。 その結果、この国の、

終焉を早めただけだ・・っ。」

「巫女の占いの通り。 この国は、終わりを待つしかないのだからなっ。」

「われら、元老院は決して、お主を王になど・・っ。 みとめんっ!」

(ソラは、聖なる“光の樹”を見上げた。 触れられないサラの手に、
そっと手をそえながら。 水色の瞳に。 きらきらと、舞い散る花びらが映る。)

「やっぱ、似てるよな。」

「ミイ。」

(ざわつく、王宮内の争いを、遠くに見ながら。 ソラは、ミイに
笑顔で振り向いた。)

「///え?」

(ソラを見上げたミイもまた。 異世界の服に身を包んでいた。 ひらひらと舞う
スカートに、美しく石の散りばめられた足元へ。 オレンジの鮮やかな髪の上に。
ピンクの小さな花びらは舞った。)

「桜だよ。 どっかで見たことあるって、思ってた。」

「聖なる“樹”の花に、そっくりだ。 こんなにきれいに咲いてるのにな・・。」

(水色の瞳は揺れ。 湧き上がる決意に、静かにこぶしを握った。)

「あんたたちっ! 元老院こそっ! “闇の力”の信奉者じゃないのさっ!」

「“闇の魔女”は悪い奴だったよ! この国を滅ぼそうとしたんだっ!」

「それなのにっ、まだ“闇の樹”が生きてるって信じてるのかいっ?」



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