HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-42


「“闇の樹”を王にしようって、いうのかいっ!」

「ソラさまはっ、呪いのせいでっ、しかたなくっ。 この国を守るために、

“闇の魔術”を使ったんだよ・・!」

「ソラさまをっ、“光の樹”を次期王にしたいのはっ、この国みんなの、願いだよっ!」

(息巻く女性の声に、群衆は賛同した。)

「そうだっ! そうだっ!」

「ソラ様を、王にっ!」

「“闇の樹”を滅ぼせっ!」

「滅ぼせっ! “光の樹”の力を、示す時だ・・っ!」

「おお〜っ!」

(皆の声に、そっと、ソラはサラに頷くと。 群衆の前に、躍り出た。)

「待ってくれ。」

(ソラの白い服の肩に。 水色の髪に、ピンク色の花びらが舞った。)

「みんな、少し俺の話を聞いてくれ。 魔導師セナ、いるんだろう。 来てくれ。」

「ピュア。 お前も、隠れてないで、出て来いよっ。」

(ソラは、ミイの後ろに視線を向け、笑った。 躊躇っていたピュアも姿を現した。)

『どうして、人は。 争ってばかりいるんだろうか・・。』

(様子を壁際で見守っていた、一人の男性が。 ゆっくりと、ソラに近づいた。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ