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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-49


(天窓から射し込む、強い光に、目を細めて笑う、水色の瞳は。
ビー玉のように煌めいた。)

(舞い散る花びらが、ソラの水色の髪に。 白い正装の肩に。
美しく、積もる。 聴衆に差し出された手は、力強く。 取り囲む人々は、
皆、ソラを見た。)

「おお〜っ! ソラ様っ!」

「ソラ様っ!///」

(人々は、沸き、元老院たちでさえ、その光景に口出しすることが出来なかった。)

「強うなったな・・。 ソラよ。」

(巫女は再び、しわの手で、薬草をひとつまみすると。
水鉢の中へ放った。)

ピチャンッ ポチャンッ・・

(それは、今度は。 一瞬で、黒い煙のように。 水中を黒に染めた。)

「強大な“闇”が、すぐそばにおる・・。」

(ソラは、その言葉に振り返った。)

「大巫女。 その通りだ。 なにしろ、“鍵”の力は強大で、

次々と、“闇”を引き寄せてる。」

「俺は、友達を助けたい。」

(輝く水色の瞳に、巫女は、笑みを浮かべた。)

「“友”か・・? これはまた、やっかいじゃのぅ。」



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