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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter97 『共に。』 97-60
『「ルイが・・っ、異界へ・・。 かの地上へ行きたいと・・。」』
『「そこに想う人がいるのよ・・。 あれほど言ったのに・・。 “水鏡”の魔法で、
異界を見たの。 私には、止めることが出来ないわ・・っ。」』
(女性は両手で、顔を覆った。)
『「私には、わかるのよ・・。 ルイの気持ちが・・・。」』
『「・・・、あなたに言っても仕方が無いわね・・、フェルゼン・・。」』
『「許されないと、分かっているのに・・っ。 ああ・・っ!」』
『「私なのよ・・。 罪を犯すのは私・・。 私は・・、“闇の樹”を守る魔女・・。」』
『「ルイを地上へ行かせれば・・。 この国は・・、終わるかもしれないと
知っているのに・・。」』
『「・・愛しているの・・。」』
『「なぜ・・、今気づいたのかしら・・。 くすくすくす・・っ。
もう、手遅れね・・。」』
『「・・。 私は、ルイを・・、愛しているの・・。」』
ゴゴゴッ・・ゴゴゴゴッ・・!
ゴワァァァーッ!
(“闇の魔術”から生み出された、巨大な魔法陣が。 いくつも姿を現し。
城の裏手へと続く。 広大な“闇の樹”の森を覆い尽くした。)
【地上へ行き・・。 異国の女と生き。 幾年かして・・、あいつは。 死んだ。】
【笑わせて・・くれやがる・・。 国を捨てただけじゃない・・、なぁ・・。】
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