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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-65


(歯をくいしばる光の前で、善は笑っていた。 辺りに、“闇”は湧き起こり。
次第に、光の呼吸を奪った。)

「あっはっはっはっ!」

(高らかに響く善の声が、“闇”と一つになり、辺りを包んだ。)

***

「なぜ・・、助けに来ない・・っ。 聖・・っ!」

「彩の言う通り。 夏樹を戦わせるつもりか・・っ?」

『あの子供たちは、空間を渡る力を持っていた・・。』

『おびき出すつもりなのか?』

(晃は、通信機を手にし、静乃に呼びかけた。)

ピッ・・

「・・、静乃。 異空間を壊して、俺と葵で追いかける。」

「他のメンバーを、周囲に配置してくれ。」

(通信機の向こうで、静乃は驚いた。)

[「だめよ・・っ! 晃くんっ、そんなことをしたらっ!」]

[「“闇”が・・っ、現実の世界に流れ出すわ・・っ!」]

***

「いけません。 夏樹様・・。」



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