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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-70


「え?」

(彩は、不審に思いながら、聖を睨んだ。)

「特殊部隊を動かすには・・。 夏樹は強いよ。」

「そのくらいの連中を出さなければ、そう簡単に、取り押さえられない。」

「夏樹はFOTのVIPだ。 国に保護されている。」

「そうそう、他の能力者が手を出せまい。」

「良い子だから、法律も簡単に破らないしね。」

「ああ・・、あるだろう。 特別な場合が。 そう、国民を。 民間人を傷つけた場合

だよ。 それなら、良い大義名分になる。」

(彩の長い睫毛が瞬いた。)

「何ですって・・?」

(黄金色の瞳は、楽しげに輝いていた。)

「何しろ、物騒な。 ご時世だからね。」

「・・。 ここに、研究所に“欠片”を置いておくのも、安全とはいえないね。」

「敵は、夏樹のすぐそばに、いるようだから。 少し、監獄にいた方が、

安全じゃないか? くっくっ。」

「晃君は、あの狐次郎君が、FOTの情報を、敵に流していると思っているようだが・・。」

「僕は、誰だか、気づいていたよ。」



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