HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter97 『共に。』 97-73
ドクンッ・・! ドクンッ・・!
(夏樹の心臓は、不思議な力を呼び起こしながら、強く鼓動していた。)
「《次元の翼》・・!」
バサササッ!!
(ソラの呪文と共に、赤い羽根が、夏樹を包み。 異空間へと導いた。
巻き起こる風が、羽根を舞いあがらせ。 深い紺色の瞳に、力が湧き起こった。)
ゴォォォォーッ!
***
【ルイ、あなたと一緒に生きたかった。】
【お願い、あなたのもとへいかせて】
***
『粒樹・・。』
【・・聖・・。】
***
「どうして、こんな想いが、湧き上がってくるんだ・・。」
「僕は、もう・・、決めたのに。」
(舞い飛ぶ赤い羽根の中、大きな赤い翼が夏樹の背に現れた。 夏樹は、胸元を掴んだ。)
「少しの間でもいい。 たとえ、一瞬の幸せでも・・。」
「みんなと、ここにいたい。」
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』