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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter97 『共に。』 97-79
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「僕にできることは、ただひとつ。」
「これからもずっと、風と、共に戦うことだけだ。」
(魔法陣から現れた光は、夏樹の身体を覆い。 夏樹の胸元に光る、
銀の指輪を揺らした。)
(封印された記憶は、わずかに流れ出し、心を震わせた。)
「もう目の前で、」
「大切な人を、失いたくない。」
(甦る断片は、恐怖を呼び覚ました。)
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『・・お母さん・・っ。』
(甦るのは、街を覆い尽くす。 黒く高い、巨大な“闇”)
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『僕は、生まれなければ良かっただろうか・・。』
『力は人を不幸にする。』
『触れた相手の人生を変え、命を奪うことさえあるのなら。 僕は、いない方がいい。』
『幼かったあの日、巨大な波となり押し寄せた“闇”は、
母を飲み込んだ。』
『差し出された母の手に。 銀の指輪が、光っていたことを。 うっすらと覚えている。』
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