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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-84


夏樹の心に浮かんだ。)

「夏樹・・っ。」

(けれど、それが。 なぜなのか、夏樹はまだ、気づいていなかった。)

***

「・・それで、行かせたの?」

「春人!」

(駆とともに、戻って来た佐織は、春人に詰め寄った。 チイはそばで、見守りながら。
顔を曇らせた。)

「後悔したくねーだと。 あんな顔されたら、好きにさせるしかない。」

(ため息まじりに、春人は、顔をしかめた。)

「心配すんなって。 ソラが一緒だ。 イルカショー見て〜って言ってたし。」

「帰ってくんだろ。」

(駆の明るい言葉に、佐織が少し力を抜いた。)

「・・ふぅ。 ったく、あんたは。 楽観的すぎんのよっ。」

「テヘッ」

(駆は笑い、チイは、紫苑の顔を覗きこんだ。)

「・・紫苑。 大丈夫?」

(ぼんやりと、水槽を眺めていた紫苑は、顔をあげた。)

「・・っ、・・。 うん。 大丈夫。」



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