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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-85


(だが、チイには、紫苑が。 気丈に振る舞っているように思えた。)

「雨宮〜っ!/// 帰ってきたらっ! ぜったいっ! 離さないからねっ!」

(佐織は、意気込み、じだんだを踏んだ。)

「男の子ってほんとっ! これだからっ。 どれだけ楽しみにしてたと思ってんのよっ!」

「ねぇっ、紫苑。」

(佐織は頬をふくらませ。 紫苑の茶色の瞳は、揺れた。)

「///・・、佐織ちゃん・・。」

「・・わたし・・。」

(その時、紫苑ははっとした。 胸元につけていた、小さな、
赤い羽根のピンバッジに、呼び出し音が響いた。)

「ピヨピヨッ ピヨピヨッ」

『あっ///』

「青葉ちゃん・・。」

(佐織とチイは、紫苑を覗きこんだ。)

「ん?」

「青葉ちゃんから、電話。 ちょっと話してくるね。」

(紫苑は、ざわつく館内を避け、ドアの外へ。 皆の見える位置で、館内から、
青空の下へ出た。)

キイッ



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