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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter97 『共に。』 97-88


(光は、まぶしさに、顔を覆いながら。 夏樹を見つめた。)

(風は、力強く、夏樹を舞いあがらせ。 “闇”を払った。)

(輝く深い紺色の髪を、白い頬を、“闇”をはらむ風が撫でたが。
黄金色に煌めく、雨の様な魔法の粒が、夏樹を守り。 “闇”の流出を防ぎ、
新たな“闇化”が起こることを防いだ。)

「“闇化”が、止まった・・?」

ゴォォォォーッ!

(光は顔を輝かせ。 金色の粒が舞い飛び。 深い紺色の瞳が、微笑んだ。)

【《光の魔術》だと・・っ?】

【・・どうやって・・っ!】

(“闇”の壁の、向こうにいた善は、夏樹の風に、制圧されてゆく“闇”に、
雨の様に降る金の粒に、“闇”の滴に、苦々しい表情で、歯ぎしりした。)

ゴオーンッ・・!!

(“闇”の壁をなぎ払い、あっと言う間に。 深い紺色の瞳の輝きは、
善の目の前に来た。)

「見つけた・・。」

「そろそろ、決着をつけよう。」

【・・! ルイ・・っ! 貴様・・っ!】

「僕には、そう時間がないんだ。」

ガガッ



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