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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-102


【! ・・貴様・・っ!】

(少年は怒りに燃え、聖を見据えた。)

「くっくっくっ。」

「・・まだ、・・祭りには。」

「時が早い。」

「そう、急くな。」

(黄金色の瞳は、楽しげに煌めき。 白光する力は、辺りを白く焼き尽くすほどの力で。
黒いエネルギーと衝突した。)

***

ドォォォーンッ・・!

(遠く、地面と、空気とを振動させる。 強烈なエネルギーが、
切り離された空間通路の向こうから。 まだ、菖蒲の肌をびりびりとしびれさせた。)

「・・くっ!」

ザッ・・

ドササッ・・!

(二人は抱き合い。 異空間の扉から、夏樹たちのいる宿泊施設の中庭へ。
芝生の上に弾き出された。)

「はぁ・・っ、大丈夫ですか? 静乃さん・・っ。」

(菖蒲は身体を起こした。 芝生の上に、仰向けに倒れた静乃の身体と腕は、力なく
投げ出されていたが。 菖蒲の声に、わずかに身体を動かした。)



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