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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-108


(夏樹が、笑っていることに。 菖蒲は、なぜか感動した。
何ということもない。 一時の出来事が。 菖蒲の心を深く揺さぶった。)

「・・・。」

『・・夏樹様。』

(幸せを、願うべきはずの主人は。 反対に、菖蒲の幸せを願っていた。)

「・・はい。」

(返すべき言葉を知らず。 菖蒲は、心に流れ込む。 夏樹の優しさをかみしめた。)

「静乃さんを、FOT分室へお送りしました。 まだやりたいことがあるので、

片づけてから明後日・・。」

(言いかけて、突如菖蒲は固まった。)

「(んんっ!)」

「(んっんっ!)」

(なぜか遠くで、ソラと駆が咳払いした。)

「ん?」

「/// いいえ。」

(菖蒲は白手袋の両手を上げ。 それ以上言うのを避けた。)

「時間を戻す魔法・・。 なんてのは?」

(女の子たちは、まだ興味津々で、語り合っていた。)

「う〜んv 魔法の呪文ではありませんが。」



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