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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-111


「晃様。」

(鋭い視線で、眉根を寄せた。)

「夏樹を壊し。 苦しみから、開放されたがっている。」

(時雨は、晃に詰め寄った。)

「・・晃・・!」

「心配するのは、お前の身だろう。」

「人の良さも、大概にしろ。」

「この世に亡き者を追えば。 地獄に落ちる。」

「力ある者がおちいる末路だ・・。」

「・・。 お前が思うほど、奴は、お前のことを思ってはいない。」

(晃は微笑んだ。)

「あいつは俺に知らせている。 時が近いと。」

「俺の命をターゲットにしたのは、俺に逃げるなと、挑戦しているんだ。」

(時雨の不安をよそに。 晃の黒い瞳は力を帯び、輝いた。)

「俺は、受けて立とう。」

「FOTを守る想いは、負けていないだろう。」

「聖と俺は、ずっとともに戦ってきた。」

「こんなことで。 揺らぐものではない。」



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