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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-21


「願いを・・言って・・。」

(聞かずとも、彩には分かっていた。)

(ただ一つの情報を差し出さねば、この能力者を惹きつけ。 動かすことは出来ない。)

【・・“鍵”の情報を・・。】

【僕に、頂戴・・。】

ドクン・・ッ

***

ザワザワザワッ

(大きなホテルの広間は、豪華なシャンデリアに照らされ。 眩い光であふれていた。)

(楽しげな笑い声が響き。 行き交う足音。 食器類が重なる音。 良い香りと、
賑やかな音楽。 湯気を上げる、豪華な料理の数々に、皆の顔はほころんだ。)

「うまそっ!」

(ソラは山と並ぶ、ビュッフェ料理をのぞき込み。 手あたり次第、皿に盛っていた。
片手で間に合わず、両手に持ち始めたので。 ミイは横目でにらみ、せき払いした。)

「(んんっ)/// ちょっとソラっ!///」

「そんなによそってどうするのっ///」

(ソラはミイにウインクし、小さなミイの方へ、顔をよせて、嬉しそうに笑った。)

「夏樹のぶんっ。」

「ええ〜っ?///」



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