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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-23


「あっ、ミイのうまそっ。 味見。」

(ソラは、ミイの取り皿から。 一つ、肉料理をつまむと。
口に放り込んだ。)

「///ああっ!; 手で食べないでよっ。」

(ミイは思い切り、ソラのティーシャツをつかんだ。)

カチャンッ カタタッ

(佐織は、料理を取り。 皆のテーブル席に戻って来た。)

「先にご飯でよかったの?」

「ソラが、腹が減ったって、うっせーから。」

(駆は、テーブルに肘をつき、美味しそうな料理を前に。
隣に座る佐織の、長いストレートの茶色の髪が。 椅子を引く、軽やかなリズムに、
揺れるのを嬉しそうに見た。)

「あら。 雨宮さん。 取りにいかないの?」

(チイは優しげな瞳で、テーブルの向かいから。 静かに席についている夏樹を見た。)

「///わたし、何か。 取って来ようか。 夏樹くん。」

(紫苑は夏樹の隣で、様子を見ていたが。 ためらいがちに、声をかけてみた。)

「・・、え? ああ。 ・・そうだな・・。」

(夏樹は、穏やかに微笑んでいたが。 どこか上の空だった。)

「ごめん。 なんだか、見てるだけで、楽しそうだなと思って。」



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