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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-30


(春人の言葉に、夏樹は瞬いた。)

「え?」

「こいつらを見てみろよ。 誰もお前のことを、怖がったりしてねーだろう。」

「少しずつだ、夏樹。 受け入れられるのは。」

(両腕を組み、立ち止まって。 前方を行く、友達たちを見つめ。
春人は、夏樹に笑顔を向けた。)

「あせるなよ。 すぐに、答えを出せなくても。」

「最後まで、願った奴が勝ちだ。」

「・・・。」

(自分を、励まそうとしてくれているらしい春人に。 夏樹は言葉を詰まらせた。)

「仙崎さん・・。」

「春人でいい。」

(ぶっきらぼうな春人が、時折見せる優しさに。 夏樹は励まされた。)

「・・ありがとう。 春人。」

(夏樹は、今をかみしめるように。 前を行く友達を見た。)

『近づくと。 より、皆との距離を感じる。』

(前方で、ソラを中心に賑わうみんなは、露天風呂に向かう途中で。
ゲームコーナーの前にある、ユーフォーキャッチャーにくぎ付けになっていた。)

「きゃ〜っ/// あははっ♪ ソラ、下手〜///」



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