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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-32


「(むっ)!」

(ソラはカチンときた様子で、夏樹を見た。)

「くすくすっ。 僕は、得意だよ。」

(深い紺色の瞳が、楽しそうに煌めき。 ソラの心は躍った。)

「なにっ!」

「数馬につきあって、屋敷にあるゲーム機で。 散々やったからね。」

(夏樹は腕をまくり、さも狙いを定めるかのように。 賑やかなゲーム機の、
ガラスの中を見つめた。)

「紫苑さん。 何がほしい?」

(そばで見つめていた紫苑は。 紺色の瞳に見つめられ、驚いた。)

「///え?」

(これが、ソラの闘争心に火を付けた。)

「うっし! 夏樹、勝負な〜!」

「紫苑ちゃん、何ほしい?」

「先に取った方が勝ちな♪ 負けた方は、全員に風呂上がりにアイスをおごることっ!」

(ソラは夏樹を指さし、びしっと言い放った。)

「くっくっ。 何、張り合ってんの?」

「ソラが、食べたいだけだろう・・。」



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