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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-35


「バ〜カ・・///」

(佐織はそう言いながら。 どこかほっとした顔を見せた。)

(春人が気にしているように、夏樹はあまり、食事を口にしていなかった。)

『少しだけでもいい。』

『少しだけ、長く。』

『みんなのそばに、いさせてくれ。』

(夏樹は、目を閉じた。)

***

「想いが強ければ強いほど、力は増す。」

「ならば、私ほど、願う者はいない。」

『・・救いたい・・。』

(少年の問いかけに。 彩は、心の中に念じた。)

【対価は、命だ・・。 報酬に僕の手足になる人間と“鍵”の在り処を渡せ。

引き換えに。】

【・・僕が。 美しい・・、奇跡を起こす・・。】

「それで・・。 私の患者を、一人でも多く、救えるのならば・・。」

(彩は、目を閉じた。)

***

「はっ。」



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