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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-37


『その度。』

『あの、深い紺色の瞳が・・。』

『私に問うた。』

(彩は、目を開いた。 自分が選び、進む道を。 この目で見なければ、ならない。)

『それが、あなたの正義なのかと・・。』

(どんな結末を迎えようと、受け止める覚悟をした。)

「迷わないわ・・。」

(それなのに、刹那。 心に過る、声がある。)

『もう一度、声を聞くべきだったかしら・・?』

「剛・・。」

「お願い・・。」

(彩は、自分の身を覆う黒い影と、少年の向こうに、想いを馳せた。)

(少年の手から、少しづつ浸食する黒い影は。 迫りくる、逃れられない病魔のようだ。)

「魔法を、かけて・・。」

(ささやきを合図に。 それは、始まった。)

ギンッ・・!

【・・《闇の力を秘めし鍵》・・】

【・・《解き放て》・・】



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