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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-4


「綺麗だけど、高くて。 怖いよ?」

「・・平気。」

(内心怖かったが、深い紺色の瞳が輝き。 まるで、面白そうに笑った気がして、
紫苑は意地を張って、遠く。 暗い、夜の海の向こうを見た。)

ゴウンッ・・

「波音が聞こえるな・・。」

(紫苑は、とたんに恐ろしくなり、夏樹の方を見た。)

「部屋に入ろう。」

(夏樹は、紫苑の手を取って、部屋に引き返した。)

『・・夏樹くん。』

(戻ると夏樹は、空いていたベッドの上に。 先ほどのソラをまねて、
背中からダイブした。)

ぼふっ

「・・、僕も眠くなってきた。」

「!///」

(紫苑は、ベッドの上で、四肢を投げ出し、目を閉じた夏樹を見つめ。 瞬いた。)

「お前もか・・? ったく、ちょっとは警戒しろよ。」

「一時のことなんだからな。」

(鋭く、現実を見る春人に、苦笑しながら。 夏樹は、どこか感謝した。)



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