HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter98 『境界』 98-41
サァァァァーッ
(風は、夏樹に。 不穏な気配を告げていた。)
「魔法の気配です・・っ。」
(ピュアは、クリーム色の髪をなびかせ。 2人の間から、大きな廊下の窓ガラスを
見つめた。)
「・・。 “闇の魔術”でっす・・。」
(ピュアの言葉に、深い紺色の瞳が、揺らめいた。)
***
「はぁ・・。 はぁ・・。」
(彩は、冷たい白壁に、身体をお越し。 背をもたれた。)
「これでいい・・。 これで。」
「“鍵”とFOTに頼らず、再び“闇化”を起こせる・・。」
『能力者との取引は、諸刃の剣。』
『けれど。』
『国は、約束してくれた・・。』
『この能力者を、味方に引き込めれば・・。』
『私の患者に、優先的に“欠片”を与えると・・。』
「・・患者を救うために。 私は研究者として、幾人もの被験者を犠牲にしてきた。」
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』