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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter98 『境界』 98-42
『夏樹君・・。』
「そうよ、彼もまた・・。 被験者の一人。」
「初めから、そうだったじゃない・・。」
(彩は両手で、顔を覆った。)
『聖君・・。 あなたの言う通り。』
『“鍵”を、彼から取り出すことは、できないわ・・。』
『それを試みれば。 “鍵”と彼は崩壊する。』
『・・。 国は、それさえ、視野に入れている。』
(彩は息を飲み、目を閉じた。)
『“鍵”の力は脅威。 “鍵”が目覚めれば。 すべての“欠片”が一つに集約する
可能性がある。』
『それを、あなたに奪われるくらいなら。 “鍵”を破壊することを選ぶ。』
「“闇化”させる力さえ手に入れば。 彼はいらない・・。」
(彩は、顔を覆う手に、力を込めた。)
『そして、最後に。 FOTと、魔力を得た特殊部隊。 契約を交わした能力者とを。』
『争わせ。 終わりにするつもりよ。』
(頬に伝わる、雫に。 彩は目を開け。 震える手のひらを見た。)
「どうして・・。 涙が出るの・・。」
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