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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter98 『境界』 98-46
「僕に、彩を止めろというのか?」
(金色の瞳はきらきら輝き。 真っ白な靴の歩を進めると。
広いソファーに、身を沈めた。)
ドサッ
「くっくっくっ。 彩は良くやってくれた。」
「“欠片”の謎を、ここまで解明したのだから。」
「これからは、僕に。 ゆだねるべきだろう。」
(ゆったりと、優雅に足を組み。 ソファーの上でくつろぐ様子に。
橘の心は、絶望に沈んだ。)
『もうお心は、決まっているのですね。 聖様。』
「いえ。」
「彩殿のことでは、ございません。」
(聖は微笑み、うながすように。 右手を橘に差し出した。)
「例の物を。」
「・・こちらで、ございます。」
(橘は、険しい表情で。 胸ポケットから、白手袋の手で小さなメモリーを取り出した。)
「・・狐次郎様より、聖様へと。」
カチッ
(聖は、満足そうにデータを受け取ると。 銀の指輪の光る右手で、メモリーを掴んだ。)
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