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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-47


「連中は。 夏樹を、いやFOTを切り捨てるつもりだ。」

「たしかに。 夏樹が新たに得た力は、やっかいだろう。」

「“闇化”を止めるとは・・。 まるで、魔法だね。」

「あの力を破るには、同じ力を借りるより他、あるまい。」

「それは、僕にとっても同じことだ。」

(金色の瞳は、楽しげに。 手の中のメモリーを見つめた。)

「国家指定病院の結界の中に。 小さな侵入者がいた。」

「夏樹を追っている男だ。 彩が身をていして、そいつの力を借りてくれるというのに。」

「感謝こそすれ。 なぜ、僕が止める?」

「奴の力を借り。 “闇化”を起こせるものか。 僕は見させてもらおう。」

(ソファーの上に、美しい銀髪が揺れる。)

『そしていつか見た、水色の髪の少年の力。 残酷にも。 夏樹を上手く、守っている。』

『その力は、夏樹を追っているあの男の物と、似ている。』

『異国の能力者か・・? 僕には破れない。』

『いずれにせよ、あの男の力なら。 夏樹を守っている彼の力を、破れるやもしれない。』

(聖は、記憶の中に残る。 眩いソラの姿に、目を細めた。)

***

『「なめるな・・。 顔見みせやがれ・・っ!」』



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