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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter98 『境界』 98-51
「・・汚れるのはこの手だ。」
「僕は、もう一つ。 “欠片”を取り出す方法があることを。」
「知っている。」
(異空間の風が、舞い上げた。 美しい銀髪が乱れ、黄金色の瞳を隠すように覆った。)
「“闇化”をしない生身の人間から。 “欠片”を取り出すことだよ。」
(橘は、丸眼鏡の奥で、灰色の瞳を見開いた。)
「・・その様な所業が、許されるのでしょうか・・?」
(聖はゆっくりと答えた。)
「良いとは言えまい。 “欠片”に眠る、“闇の力”“不死の力”共に失われる。」
「持ち主の命も例外ではない。」
(聖は微笑んだ。)
「国と奴には不都合だろう・・。 しかし、どうなるか。」
「実行した者はいない。」
「それに。 “欠片”さえ手に入れば良い僕にとって。」
「この上ない方法なんだよ。」
「橘・・。」
「・・もう十分こらえた。」
「もう十分だろう・・。」
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