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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter98 『境界』 98-56
(問いかけに、時雨は、不機嫌な表情で眉根を寄せた。)
「・・最上階の結界の中に。」
(晃は笑みを浮かべ、うなずいた。)
「入ったものの、出口を失ったのだろう。 聖が始末してしまう前に、俺が話を聞こう。」
(時雨は続けて警告した。)
「・・情をかけませぬように。」
「かくまえば、不都合となりましょう。」
(晃は笑った。)
「あいにく。 俺はそんなに心が広くない。 守ってやるつもりはないが。」
「夏樹に関わるデータを・・。」
「盗み出したのであれば。 取り戻すまで、いてもらう。」
(晃は再び、通信機に目を向けた。)
「剛。 狐次郎が見つかった。」
「本部に戻ってくれ。」
ピッ
***
「了解!」
(剛は力強く答え。 通信機を切った。)
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