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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter98 『境界』 98-71
自由の利かない右手の指で、鋭く晃を指さした。)
「あんただよ。」
「No.2殿。」
(晃は目を見開き。 剛は思わず、掴んでいた手の力を緩めた。)
『・・!』
「・・。 何だって・・?」
(剛は、晃を見た。 驚く晃に、狐次郎は、面白そうに笑った。)
「どういうことだ・・。 代わりに俺のデータを?」
「“鍵”には似ても似つかんだろう。」
(切れ長の黒い瞳が、歪んだ。)
『晃様のデータを・・?』
(後ろに、控えている時雨が。 半月形の眼鏡の奥で、瞳を揺らした。)
「“鍵”を奪われる代わりに、てめえが狙われるくれ〜なら。 感謝しろや。」
「国じゃ大臣先生どもが、あいつの“闇化”をお待ちかねだ。」
「俺も、雇われの身でね〜。 ひっひっ。 どこぞの能力者が。
あいつから“鍵”を奪うのを・・、ただ見てるわけにもいかね〜んでね。」
「正義の味方のつもりか? FOTよ。 目を開けて見ろや。」
「その顔。 あんたもだまされたらしーな?」
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