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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-72


「ひっひっ。」

「“欠片”が欲しけりゃ、“闇化”を止めるわけにはいかね〜さ。 だがよ・・。」

「そう簡単に。 “鍵”を明け渡してたまるかよ。」

「正義だけじゃ、何も守れねーぜ。」

(額に流れる汗に、黄色の瞳がギラリと光った。)

「敵はまだ、鍵の在り処を手に入れちゃいねーさ。」

「だが、魔法は動き出した。」

「報酬は、願いが実現した時に現れる。」

「敵はまだ、偽物のデータにも気づいちゃいねー。」

「契約で願いが叶えられれば。」

「データは開く。」

(晃は、狐次郎の話に、想いを巡らせた。)

「あんたの命も、それまでだな?」

「No.2殿。」

(空間の狭間に捕らわれても、覇気を失わず爛々と光る狐次郎の目を、鋭くにらんだ。)

「ひっひっひっ。」

「気を付けろや。」

「よそ見してっと・・。」



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