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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-79


「・・。 体感温度とちがうんだ。」

「これでも、のぼせてるの・・。」

(夏樹は、眉根を寄せ。 紫苑から受け取った、冷たい缶ジュースを、
額にあてた。)

「んん・・。 冷たくて、生き返る。」

(紫苑は笑った。)

「ふふっ///」

「んん?」

(夏樹は、わざと不機嫌そうな顔をし、深い紺色の髪の間から。 額にあてた、
缶ジュース越しに。 冷たい滴の伝う、白い肌に映える深い紺色の瞳は、輝いた。)

「ソラくんに、アイスごちそうになろう?」

(紫苑は笑い、夏樹の隣に、腰を下ろした。)

「みんな、楽しそうでよかったね。」

「・・うん。」

(嬉しそうな紫苑の横顔を見て。 夏樹は、自然と、紫苑が自分の側に
いてくれることに感動していた。)

「あ、みんな来たよ。」

「・・。 ああ。」

(紫苑は立ち上がり、向こうから来るソラたちに向かい、手を振った。)



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