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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter98 『境界』 98-81
「はい・・。」
(菖蒲は静かに微笑み。 静乃のことを気にかけながら、
手にした通信機を閉じた。)
***
(静乃は、彩の言葉に息をのんだ。)
「・・どういうこと?」
「・・彩?」
(涙を浮かべ、うるむ彩の瞳に。 何か大事なことが、彩の身に起こったのだと感じた。)
「・・“鍵”のことなの?」
(静乃は、彩を信じる気持ちで、強く見つめた。)
「くすっ・・。 無駄話が過ぎたわ。」
「あなたをここへ通したのは、他でもない。」
「私も、あなたに。 聞きたいことがあるの。」
(彩は、白衣の両腕を組み。 そっと、視線を下ろした。)
「・・素直に答えてくれれば。」
「手荒な真似はしないわ。」
(その言葉に、静乃は目を見開いた。 どこからともなく、
静乃の背後から、退路を遮るように。 黒服の、執事たちが姿を現した。)
「・・・っ。」
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