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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-85


(首にかけた、小さな鎖に当たり、音を立てた。)

「どうぞ。」

(狭いドアの前で、身体をよけ、紫苑を先に部屋に通そうとするので。
紫苑は頬を染め、どぎまぎした。)

「///ありがとう。」

(傍によると、浴衣姿の夏樹から、漂う冷たい気配が。 心地良い。)

(紫苑は、夏樹の前を横切るとき。 胸元にかかる、銀の指輪の存在を、気に留めぬよう、
自分を抑えた。)

キイッ

カタンッ

(皆が部屋に入るのを確認し。 ドアを閉めると、ソラは、最後に残ったピュアと二人。
廊下でそっと、囁いた。)

「ピュア。 さっきの。 夏樹が気にしていた、“闇の魔術”・・。」

「調べられるか?」

(ピュアのクリーム色の瞳は、真剣にソラを見つめ、うなずいた。)

「はいですv 難しいですが・・、やってみます。」

(水色の瞳は輝いた。)

「夏樹のことだけじゃない。 ミイのことも、しっかり守るぞ。」

「“時の欠片”から“闇”を浄化する。 ミイの巫女の力・・。」



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