HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-93


「お話は終わりよ。」

「連れて行って。」

(彩は、静乃を冷たく見据え。 背を向けた。 赤いヒールが一歩、踏み出した。)

(黒服の執事たちが。 黒手袋の手を、静乃に向けた。)

***

「ひっひっひっ。」

「助けてもらえるたー、光栄だ。」

「ついでにもう一つ。」

「良いことを、教えてやるわ。」

(異空間の狭間で、痛んだ腕を抑え。 狐次郎はらんらんと光る黄色い目で、
晃を見た。)

「Ability to Immortal」

「不老不死を与える能力。」

「あんたも知ってるだろう・・、No.2殿。」

「かつて、国が拾った。 一人の少女がいた。」

「あんたの大将が。 連れ去ったっつーう・わ・さだ。 以来行方をつかめず。」

「代わりに、この世に“時の欠片”が生まれた。」

「そして“闇”も。」

「俺を襲ったあのガキは、人間じゃねー。 その少女も、夏樹も。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ