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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter98 『境界』 98-94


「この世とは別の。 もう一つの世界に関わっている。」

「触れちゃ〜いけねー事実を。 国は隠していやがる。」

(狐次郎の、狐のような目は。 面白そうに笑った。)

「聖の兄ちゃんには、都合のいい・・。 執事殿がいるな〜・・。 ええ?」

(黄色の目は、晃を見た。)

「・・何だと・・。」

(晃は、狐次郎を睨んだ。)

「VIPの執事殿には、特別な力がある・・。 あんたの執事殿もそうだろうよ?」

「ひっひっ。 葵の嬢ちゃんの力は、たしかにすげ〜。」

「二人がいれば。 国家機密も隠ぺいできら〜。 夏樹の記憶が、戻らね〜ことを

祈るぜ。」

「“鍵”が自由にならねーなら。 危険分子は、排除に限る。」

***

ダッ・・

(駆けつけた菖蒲は、静まり返った、夜のFOT本部ロビーに降り立った。)

カッ カッ・・

「時雨さん・・、一体何が・・。」

(菖蒲は、自分が本部に戻れたことに、驚いていた。 静乃のオペレート無しに、
閉鎖された空間通路を。 正しい道で、渡ることができた。)



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