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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter99 『決意』 99-13
嫌悪感で、眉根を寄せた。)
「・・・。」
(金色の瞳が、目を逸らすかと思われた次の瞬間。
開かれた、重い扉の向こうに広がる。 予想外の景色に、その目は見開かれた。)
「ん・・。」
(暗い牢獄への道は一変し。 扉の向こうには、室内でありながら、
青空が広がっていた。)
「・・・、ふぅ。」
(重く息苦しい場所から、突然。 澄み切った空気が流れるようで。
聖は眩し気に、天井を見上げた。)
(ガラスで、ドーム状に覆われた建物内の中心に。 金色の、
巨大な鳥かごが設えてある。)
(鳥かごに目を向ける前に、金色の瞳は。 珍しい物を見るように。
天井に映る青空から差し込む、光に。 目を細めた。)
ピチャンッ・・
(青空からこぼれた光は、みずみずしい水滴を光らせる。 見上げる聖の頬に、
一粒の、滴が天井から落ちた。)
(瞬く聖の目に。 ガラスで覆われた天井に届くほどの。 様々な木々が、枝を伸ばし。
葉を茂らせる様子が見える。)
(滴は、見上げる聖の頭上に生い茂る木々の葉から。 こぼれ落ちていた。)
「・・なんだここは・・。」
『扉を開け。 牢の前に来た途端。 僕は、その力を感じた。』
『まるで、すべてのものが浄化されているかのように。 その場所は清らかで。』
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