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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-16


『彼女を、一目見たときから。 僕の運命は決まっていた。』

(金色の瞳は、魅せられたように、少女を見つめた。)

『一瞬の思い出は、スローモーションのように、僕の目に焼き付いた。』

『落とされた小鳥の羽根は、赤く染まり。』

『そっと、彼女の白い小さな両手が、亡骸を拾い上げた。』

『小鳥から散る羽根は、赤く。』

『裸足の彼女の足元に。』

『その両手に。』

『美しいレースの舞う服に。』

『血の跡を残す。』

サァァァァーッ・・

(聖と少女の前に、一陣の風が、吹く。)

(舞い上がる銀髪に、金色の瞳を逸らさず、少女を見た。)

【“闇”の樹の源よ・・。】

トクンッ・・

(金色の瞳は、見開いた。)

(少女は小さな唇を開いたが、声はもれず。
その言葉は、直接。 脳裏に届く様だ。)

ドクンッ・・!



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