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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-19


シュオッ・・

(手のひらの上で、小鳥は息を吹き返す。)

(小鳥の瞳に、強い生気が宿り。 瞬くのを。 美しい空色の羽根が、
振動し、命を宿し。 少女の手から飛び立つ瞬間を。)

(夏樹は見た。)

ピッ ピチチチッ

パタタタッ

『・・小鳥が、息を吹き返した。』

(夏樹の額には、汗がにじんだ。 ありありと甦る、自分の物ではない記憶が。
夏樹の心に侵入した。)

(気配を追いかけ、思考に意識を集中する。 胸元を握りしめたまま。
呼吸を整えた。)

「はぁ・・、はぁ・・。」

『Ability to Immortal』

『粒樹・・。』

『これは、聖の記憶だ。』

***

***

『記憶は交錯し、粒樹が僕にたくした“鍵”を通し。 僕の中に甦る。』



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