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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-22


【・・未来で出会うから。】

【未来で、あなたは、彼に出会うから。】

(過去の記憶の中で、粒樹は。 今、夏樹が自分に触れていることを感じていた。)

(探し求めた温かな想いに、粒樹は幸せをかみしめ、涙に濡れる頬で微笑んだ。)

【・・連れて行って・・。】

(微笑みに、ダイヤのように輝く涙の粒は止まらない。)

・・キンッ・・

(金の指輪が光る手を、聖はかかげ。 巨大な牢に、金色に輝く鳥かごに、
力をかけた。)

「・・? 聖様・・? 何を・・。」

(聖が発する、強い力に、気づいた老人が、止めようと近づいた。)

「・・! お前たちっ! はやく止めないかっ!」

(だが、時は遅い。 強い力が、まるで、空間を切り裂くように。
金の牢を、背後の空間ごと、真っ二つに切り開いた。)

「!! ぐわぁぁぁ〜・・っ!!」

「ぎゃぁぁぁ〜っ!!!」

(聖を抑えようと近づいた、黒服の男たちは、空間を開く聖の力に巻き込まれ。
空間の狭間に、消えた。)

『・・やめろ・・っ。』



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